2016年12月27日(火)

 夜中、小屋の外では猿の鳴き声が響き渡り、「ああ、ジャングルに来たのね。」という気持ちになりました。一度トイレに起きたところ、満天の星空。これまでも美しい星空を何度か見たことはありますが、ここも格別です。

 早朝にいきなりノックをされ、給仕係の青年2人が「モーニン!」の声と共に侵入してきた。
「ティー?コフィー?」
おお、そうか。朝のドリンクなんだな。「ティー、プリーズ。」と返事をすると、プラスチックのカップにティーバックの「キリマンジャロティー」を打ち込みお湯を入れてスプーンでかき回し、ティーバックをとったら砂糖を入れて再びかきまわし、出してくれる。4人分の飲み物を出すと、2人は疾風のように去っていきました。すぐに壁を挟んだ反対側の部屋から「モーニン、ティー?コフィー?」が聞こえてきます。2人で14人のお茶を出すのは大変です。彼らはひとまわりすると、今度はカップの回収にやってきます。その次は洗面器に顔を洗うためのお湯を入れて「マジモト!」(スワヒリ語でお湯のこと)と言いながら置いていく。我々が顔を洗い終えると洗面器の回収、そして朝食の準備。たった2人でやることがたくさんあるな。帰りにチップをあげようと思いました。

 朝食はパンと、なぜかお粥があります。どうやら日本人向けメニューのようです。(そうそう、中国のみなさんも朝はお粥ですね。)
 食事の後に血中酸素測定。数値は88でした。昨夜より数値が落ちていますが、問題はないようです。その他、睡眠の状態や平衡感覚が正常かチェックし、添乗員さんに報告。自分を含め、みなさん元気です。今日は約1000m登って3700mを超えるので、本日からダイアモックスの服用も始めました。

コロブスモンキー
ポーターのみなさん、ありがとうございます。

 荷物をまとめ、預ける荷物をポーターに渡して、今日の活動開始になります。スタートは準備運動から。簡単な体操とストレッチをしてスタート。今日も前半はジャングルの中を進みます。相変わらず猿はうるさく吠えていますが、体も小さいので怖さはありません。
 順調に進む我々を、ポーターのみなさんが追い抜いていきます。彼らは私たちが出発した後に手荷物や食材をまとめてから出発します。指定の場所にランチボックスを届けるのもポーターの仕事ですから、途中で本体を抜かなければなりません。大変な仕事です。でも、彼らを見ると15キロ(ルール上それ以上持ってはならない)の荷物を頭の上に載せ、ふつうの運動靴や革靴ですいすいと登ってきます。根本的な筋力と体力が違うようです。
 ガイドさんの一人がこんな話をしてくれました。「俺も昔はポーターをしていたが、より手当が良いガイドになりたかった。だから、がんばって英語を練習した。英語が話せないとガイドになれないのだ。」彼らの世界もいろいろあるようです。

マウエンジ峰が見えてきた。
今日のランチ。
昼食会場です。トイレがあります。

 道はジャングルを抜け、少しずつ視界がひらけてきました。ようやく行きを被ったキボ峰(山頂部)が見えてきました。あそこまで登るのかと思うと、気持ちが引き締まります。そしてキボ峰とは別の頂があるマウエンジ峰も見えてきました。ここに来るまでは、キリマンジャロはなだらかで、ひとつのピークを持つようなイメージでいました。でも実際は3つの成層火山の集合体で、ピークも3つあります。そのひとつのマウエンジ峰が迫っています。(ここには登りません)
 ジャングルを抜けて植生が変わると、見えてくるのが「ジャイアントセネシオ」という巨大な木。こいつは葉が腐っても落ちないでくっついていて、そこに根のようなものを刺して養分を吸い取っているという話です。さすがアフリカ、と妙に納得してしまいます。

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花の名前・・・なんだっけ。
ジャニアントセネシオ。

 本日のゴールは「ホロンボハット」という山小屋です。標高3720mですから、ほぼ富士山頂の高さになります。小屋に着くと、すぐに食堂で「お茶会」が催されます。コーヒー、紅茶、ココアを飲みながらポップコーンとビスケットを食べるのです。お茶を飲んでる間に添乗員さんから部屋割りと夕食の時間の連絡があり、それを聞いてから各部屋に移動するというのが、毎日のパターンです。「ホロンボハット」の小屋は6人部屋と4人部屋の建物があり、私はMさん、そして添乗員のTさんと3人で、4人部屋に入りました。

ホロンボハットが近づいてきた。
ホロンボハットの看板。
救急搬送用の一輪車がありました。
本日はカレーです。カレーなら食欲なくても食べれるなあ。
キボ峰が見えてます。氷河はずいぶん小さくなってます。
こちら、マウエンジ峰。5149mあります。

 夕食時前に、血中酸素計測と健康チェック。血中酸素は88で、朝と同じ値です。ただ、脈拍が98と安静時にしては高く、高所の影響が少し体に出ているようです。基本的に体の異常はほとんどありませんが、なんとなくそんな気がして、「めまいがわずかにある」に○をつけて提出しました。
 夜はかなり冷えそうなので、今日はシュラフの2枚重ねで凌ぎます。

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